2008年10月23日木曜日

他人との出会いは自分を知る手がかりとなる

 かつて日本ばバブル真っ盛りの頃、「数合わせ」のために、スタジオを借り切っての「合同コンパ」に駆り出されたことがある。バブルであるからして、学生といえでも全員ブランドもののスーツを着ている中で、私は一人ジーパンにTシャツ。しかもテニスはやるけれど軟式テニスだったし、スキーはやるけれどシュテムターンまで。スキーのロッジで男女の会話などするよりかは温泉でくつろぎたい…というタイプなので、いわゆる女子大生との合同コンパというのは非常に相性が悪い。
 しかも一番苦手なタイプばかりの(当時の)「バブル風色彩」のドレスで着飾った女性たちとの出会い。あまり楽しくない。

 しかしそれでも「場」の雰囲気からして黙っているわけにもいかないし、自分はどういう人間かということを最低限は周囲にアナウンスしておかなければならない。「数合わせ」で来た…と正直に語るのも悪くはないが、あまりに幼稚な対応であって、一応20歳を超えた人間どうしが貴重な時間を費やして集まった空間ということでそれなりにポジショニングをとり、「私は積極的にビンゴなどには参加しませんが、それはいろいろ理由がありまして」というのを暗黙のうちにアナウンスしておく必要性はある。また一応化粧などいろいろ手間をかけていらっしゃったであろう女性陣にも非常に失礼な話になるので、最低限の会話もこなすことが必要。その際、相手が自分を「ださいわね」(当時の流行り言葉だった…)と思っていようがいまいが、同じテーブルについて食事をしている以上は最低限の自己紹介も必要。

 ということで場違いでお金がもったいない会合ではあったがあれから○○年が経過し、一つわかったのは、やや苦痛ではあっても見知らぬ他人と会うことで「自分がどういうスタイルを通そうとしているか」「自分の長所はなにか」「自分の短所はなにか」と他人と自分を比較する一つの機会になるということだ。これって大事で、「場違いな場所」には最初から行かないにこしたことはないが、かといってそういう場所に遭遇したときには、「こういう雰囲気の中で自分について的確なアナウンスメントを出すには…」とあれこれ工夫をすることそのものはけっして無駄ではないということ。もちろんバブルの時代ははじけてしまったので、いまやカラオケが嫌だとかパーティが嫌だとかいろいろあるのだろうけれど、嫌な集会に参加しなければならないときにはそれなりに「自分をわきまえる場所」として学習することはできる。

 人に会わないですませる…というのも不可能ではない時代だが、しかし会社づとめをする場合には、個人のパーソナリティが人間嫌いだろうとなんだろうと集団作業を余儀なくされることに変わりはない。だったらむしろ積極的にそうした「場」を活用してみることを考えてみるのも悪くはない。

0 件のコメント: